戸建てがいいけれど

自分らしい家づくりでリノベーションを成功させるための3つのカギ

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1 住む期間に応じた建物を選ぶ

中古のリノベーションは、まず古いマンションを買うところから始まります。その際、どのような建物を選べば良いのでしょうか。立地や間取りなど人によって希望は様々でしょうが、もう1つ考えたいのはその家に今後どれだけ住んでいくのかという時間の長さです。

現在子育て中で、これから30年、40年と住み続ける可能性があるのなら、建物の耐久性のチェックを忘れてはいけません。一般にマンションの寿命は60年程度と言われます。そのため築40年のように古いマンションを買うと、住んでいる間に建て替えや建物全体の大規模改修などが必要になる可能性が高くなります。高齢になってからこうした負担が発生するのは、できるだけ避けたいもの。そのためには、中古といっても比較的新しい物件を選ぶほうが安心です。

一方、50代から60代で中古マンションの購入とリノベーションを考える場合、建物の耐久性よりはむしろ立地の便利さを優先して選んだほうがよいでしょう。新しい住まいへの引っ越しは、後々の生活を豊かにするのが大きな目的です。駅などに出やすいなど、活き活きとした暮らしを後押ししてくれる立地のマンションを選びましょう。

2 狭い、暗いを一新する

リノベーションとは、住戸内の間仕切りも取り払ってゼロから間取りを考えていく改修のこと。そこが、内装仕上げや設備機器を新しくする工事が中心となるリフォームとの違いです。マンションでも戸建てのように家族の暮らしに合った家を考えていけるのが、リノベーションの最大の特長です。

改修に際しては、窓や玄関扉の位置を変えられない、水まわりは配管のそばに設ける必要があるといった一定の制約はあります。ポイントは、こうした条件を受け入れつつ、いかに戸建てのようなオーダーメイドの家をつくるか。まずは、既存のマンション住戸にありがちな不満を解消することから出発しましょう。

玄関が狭い。洗面・脱衣室や浴室が小さい。収納が少ない。結露する…。これらは、マンションの間取りに対してよく耳にする不満です。せっかくリノベーションするならこうした弱点を1つずつ克服するように間取りを考えてもらうことが大切です。

玄関の土間を広げ、大きなシュークローゼットを設ける。浴室には足をゆっくり伸ばせるバスタブを入れ、洗面室は忙しい朝子供たちが同時に使える広さを確保する。寝室にウォークインクロ−ゼットを備える…などの工夫を考えてみましょう。部屋数の確保を優先する一般のマンションでは、使いにくい小さな部屋がたくさんある間取りが珍しくありません。無駄な部屋を整理して必要な部屋だけをつくれば、こうした改修が可能になります。

土間を広くすることで玄関に光を

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洗面台まわりをゆったりと

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収納もたっぷり確保

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3 戸建てのようにこだわる

戸建てを望んでいる人は、内装仕上げにこだわりを持つ場合も多いのではないでしょうか。マンションはどこも似たようなインテリアですが、リノベーションなら内装を自由に計画できます。仕上げ材も、とことん好きなものにこだわって選びましょう。

リノベーションだからこそ選べるものの1つが自然素材です。白っぽいクロス貼りの壁と集合住宅仕様のフローリングというマンションの一般的な内装仕上げに対し、リノベーションならムク材の床や珪藻土の壁といった自然素材も選べます。内窓にステンドグラスをはめたり、オリジナル柄の鋳造アルミを組み入れたりすることも。ひと手間をかけた建具や什器を取り入れていくと、没個性的なマンションの四角い箱がまるで戸建てのように生まれ変わるのです。

リノベーションに「マンションは画一的」という思い込みは不要。思い存分、あなたらしい家を実現してください。

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「無理して戸建て」よりマンションリノベで豊かになぜリノベーションすると良いのでしょう?

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あこがれの戸建てに、どれだけこだわる?

いずれは戸建ての家に住みたい。そんな夢を描いている人は少なくないでしょう。

確かに、戸建てはマンションに比べて良い点があります。小さな子供のいるご家庭では音を気にせずに過ごせますし、庭では思い思いのガーデニングを楽しめます。面積は多少小さくても、自分の城を持ったという満足感はより大きいかもしれません。

ただ、家を買うには相応のお金が必要です。資金計画にゆとりがあるのなら戸建てをお薦めしますが、もし「少し無理してでも戸建てにしたい」と考えている場合はちょっと待ってください。マンションを選ぶほうが、資金の負担が減り、結果的に豊かな生活を送れる可能性があるからです。

なかでも注目したいのが、中古マンションを買ってリノベーションする方法です。築年数がたっているため建物を安く購入でき、住戸内は内装も設備も一新するので戸建てのように自分たちの望む間取りを実現できます。中身は新築と変わらない、オンリーワンの住まいを手に入れることができるのです。

新築の戸建てと中古のリノベ、お金の掛かり方を知る

戸建て住宅の場合、最近は予算が3000万円から3500万円程度では入手するのが難しくなってきました。それに対して中古マンションをリノベーションする場合、同程度の規模なら1500万円で建物を購入し、1000万円かけて改修すると、十分希望に沿った新居を得られます。必要ないお金が少なくなれば、自分の家を持ちたいという夢が早くかない、ローンも早く完済できます。

現在子育て中の夫婦であれば、これからの子育て費用を考慮してできるだけ負担は減らしておきたいものです。また年配の人の場合は長期のローン組むのが難しいため、その分、家にかけられる予算も厳しくなります。数年後に子供が独立するなど家族構成に変化が生じるのならなおさら、リノベ−ションを選ぶことで無理をせずに済み、その分のお金を生活のプラスアルファに生かせます。

建物以外にもお金がかかる

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建物内を考えればいい

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また、比較的資金計画を立てやすい点もリノベーションの長所です。

土地を買って家を建てる場合、土地代と建物の工事費以外にも予想以上にお金が必要となります。更地であれば、水道の引き込みに30万円から50万円はかかりますし、地盤の状態が良くない場所なら地盤改良費も加わります。建物の計画や工事に際して確認申請費や中間・完了検査費が必要になるほか、建物まわりの外構費にも予算は見込んでおかなければなりません。新築一戸建てなら、本体建築費以外に約300万~400万かかります。

このように、戸建て住宅では予期以上のお金があちこちにかかるため、当初の想定に比べて出費が増えることが珍しくありません。その点リノベーションでは水道や電気、ガスといったライフラインが既に装備されているため、マンションを購入する費用と住戸内の改修工事費を見込むだけ。全体の資金計画を立てやすく、後々の負担が増える心配はあまりありません。

なおマンションは月々の管理費がかかり、住み始めてからのお金が大変ではと心配する人もいるでしょう。確かにマンションでは管理費や長期修繕費が必要ですが、実は戸建て住宅でもいずれ内外装や設備のメンテナンスをしなければいけない点は同じです。補修工事の必要に迫られた時には何十万円から百数十万円というお金を用意しなければいけないので、長期的に見れば変わりありません。

暮らしの選択肢が広がる

中古マンションのリノベーションという方法を視野に入れると、いろいろな選択肢が広がることに気づきます。

まず、建物選びが変わります。同じ予算であれば、戸建てより広い面積や、より便利な立地から候補物件を探すことができます。

戸建てであれば不要な駐車場代がかかってしまうのはマンションのデメリットです。ただしこれも、ちょっとした意識の転換で問題解決できそうです。マンションを選ぶことで便利な立地に住めれば、車は不要になる可能性があります。必要なときにはレンタカーを利用するという生活も、選択肢の1つになるはずです。すべてを自前で備える戸建てではなく、身軽なマンション暮らしを選ぶ。そんな生活も素敵です。

なお、同じ中古なら、戸建てをリノベーションしてもいいのではないかと思うかもしれません。もちろんその方法もありますが、古い木造戸建て住宅は躯体の状態を正確に判断するのが難しく、適切に補修するには一定の技量と経験が求められます。木造住宅の改修に対して深い知識と経験をもった専門家に依頼するのでもなければ、相応のリスクが伴うことを知っておいてください。

自前で揃える戸建てから身軽なマンション生活へ

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